• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2005 Fiscal Year Annual Research Report

憲法学における公私区分の再考-政治哲学・法哲学等の公私区分批判をてがかりに

Research Project

Project/Area Number 16730011
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

巻 美矢紀  千葉大学, 法経学部, 助教授 (90323386)

Keywords公私区分 / 私人間適用 / 公共の福祉
Research Abstract

今年度は、これまでの公私区分再考の成果をもとに、憲法学の争点、とりわけ人権の私人間適用の問題と憲法13条の「公共の福祉」の解釈に取り組み、その研究成果を公表した。
私人間適用については、憲法上の人権の対国家性を貫く新無適用説を評価する一方、その限界をアメリカ憲法の解釈論に見出した。それによれば、憲法上の人権は原則として私人間には適用されないが、奴隷制を禁止する修正13条は私人間にも直接適用される。こうした解釈の基礎には、私的領域と公的領域の連続性に対する認識がある。この認識をふまえたサンスティンの反カースト原理をてがかりとして、新たに最小限直接適用説を提唱した。すなわち、二級市民性の構造的再生産を阻止すべく、国家は少なくとも憲法の平等条項については、私人間にも直接適用しなければならないとした。
また公私の交錯の一局面である「公共の福祉」については、通説である一元的内在制約説を根底的に批判した最近の有力説をもとに、公共の福祉の再定式化を試みた。それは公共の福祉を積極的に定式化するのではなく、公共の福祉を充たさないものとして消極的に定式化する。そのようなものとして、人格の根源的平等性を侵害する理由による国家行為があり、その発想は同性愛の自由を承認したアメリカの最近の判例に典型的にみられる。人格の根源的平等性は、最もゆるやかな審査基準である合理性の基準であっても、その侵害の有無が審査される基底的原理であり、公私再考にとって決定的な重要性を有することが明らかにされた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2006 2005

All Journal Article (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 憲法の動態と静態--R・ドゥオーキン法理論の「連続戦略」をてがかりとして2005

    • Author(s)
      巻 美矢紀
    • Journal Title

      国家学会雑誌 118巻7・8号

      Pages: 1-41

  • [Book] 憲法学の現代的論点(共著)2006

    • Author(s)
      巻 美矢紀
    • Total Pages
      400(50)
    • Publisher
      有斐閣

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi