2005 Fiscal Year Annual Research Report
国際環境レジームにおけるインセンティブ措置に関する研究
Project/Area Number |
16730084
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
高橋 若菜 宇都宮大学, 国際学部, 助教授 (90360776)
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Keywords | 環境レジーム / インセンティブ措置 / 気候変動枠組み条約 / 米加大気保全協定 / ガバナンス |
Research Abstract |
本研究は、以下の3段階から構成される: (1)インセンティブに関する理論的研究の文献収集・整理、 (2)地球環境レジームにおけるインセンティブ措置の整理・類型化と事例研究(実証研究)、 (3)インセンティブ措置が機能するための諸要因・諸条件について一般化(理論化) このうち本年度(平成17年度)については、(1)および(2)の両方に同時並行的に着手した。(1)については、国際関係論から国際レジーム論・制度論・ガバナンス論を概観した。(2)については、オゾン層保護条約モントリオール議定書のように削減目標受け入れを交換条件とした基金タイプのもの、地球環境ファシリティ(GEF)等のように途上国の能力向上を目的としたもの、排出権取引制度(気候変動枠組条約京都議定書)のような市場メカニズムの導入によるもの、長距離越境大気汚染条約NOx議定書等のように技術規定によって先進国側にインセンティブを付与するもの、科学技術分野における国際協力の推進(長距離越境大気汚染条約他多数)などについて、それぞれ文献収集・整理を行った。このうち、とりわけ、気候変動枠組みレジーム及び越境大気汚染レジーム(北米)については、カナダで現地調査を行った。現地調査では、(1)米加大気協定策担当者等へのインタビュー、(2)平成17年11月にモントリオールで開催された気候変動枠組み条約第11回締約国会議/京都議定書第1回締約国会議に参加し、本研究の目的に合致する交渉の内容(公開のもの)を傍聴するとともに、サイドイベントでも情報の収集、を行った。
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