2004 Fiscal Year Annual Research Report
世界銀行の査閲(インスペクション)パネル制度の実効性に関する基礎的研究
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16730091
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
段 家誠 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 助教授 (20340846)
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Keywords | 世界銀行 / インスペクション・パネル / NGO / 世銀とNGO / アカウンタビリティー / 多国間開発銀行 / ナルマダ・ダム・プロジェクト / 査閲パネル |
Research Abstract |
本研究の目的は、世界銀行のインスペクション・パネル制度について、その基本的な制度、仕組み、運用状況、組織、人員、その実効性について明らかにしようとするものである。初年度は基本的な文献と関連する第1次資料の収集、年表および関係者リストアップ等を行った。 1.2004年4月から8月にかけて、書誌等を使い未入手の文献資料のリストアップを行い、パネルおよびナルマダ・ダム・プロジェクト等の重要文献の収集を行った。また同時に関連した外国雑誌・新聞記事を国会図書館他で収集し、世銀東京事務所で情報収集を行った。一方、ナルマダ・ダム・プロジェクト補足調査については、12月にインド・カルカッタ大学で開かれた国際学会での発表出張に際して文献収集と情報収集を行い、インドでの現地調査を行う上での手がかりを得ることができた。 2.収集した文献資料等から、インスペクション・パネルの基本的な仕組みと権限を把握し、成立過程で世銀内部および世銀外部NGOからどのような意見や議論が行われたかについて、年表と関係者一覧などを作成して把握することができた。今後はワシントンD.C.とニューヨークで収集した資料の分析進め、詳細の解明を進めたい。 3.9月の米国現地調査では、米国議会図書館および世銀本部、NGO事務所、ニューヨーク公立図書館、国連本部等にて日本にない1次資料および関連文献の収集ができた。またワシントンでは、NGO関係者およびパネルのワイス議長へのインタビュー、並びに世銀改革に高い関心を寄せるバーニー・フランク米国議会下院議員にインタビューを行うことができた。以上よりパネルの人員、事務局と世銀との関係、これまでのパネル一覧等、そして関係者の見解を把握することができた。 4.前述のインタビューにより、世銀改革とパネルの役割について関係者の見解が明らかになった。それらは概ねパネルの役割について肯定的であった。
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Research Products
(1 results)