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2006 Fiscal Year Annual Research Report

アジア太平洋の安全保障枠組みと沖縄-冷戦史の文脈からみた沖縄返還-

Research Project

Project/Area Number 16730092
Research InstitutionOkinawa International University

Principal Investigator

吉次 公介  沖縄国際大学, 法学部, 准教授 (40331178)

Keywords安全保障 / 日米関係 / 沖縄返還 / 佐藤栄作 / 冷戦 / ニクソン・ドクトリン / 多極化 / 沖縄基地問題
Research Abstract

アメリカは、沖縄に米軍基地を長期的に維持するために、沖縄の施政権を日本に返還することを決めた。ニクソン・ドクトリンに伴って縮小されたアジア太平洋の軍事的プレゼンスの支柱として在沖米軍は不可欠なのであり、その在沖米軍基地を維持するために是非とも必要だったのが沖縄返還なのであった。
デタントが進行し、ニクソン・ドクトリンによってアジア諸国から多くの米軍が撤退した。冷戦構造の変容や国際緊張の緩和はアジア諸国の米軍受け入れの負担を軽減していったといえる。
しかし、沖縄が受けた緊張緩和の「配当」は限られたものとなり、沖縄の相対的負担が増していった。とりわけ、韓国と台湾は、在沖米軍基地機能の維持を強く望んでいたが、これは、沖縄返還が、アジア太平洋地域が沖縄への依存を深めるプロセスであったことを意味している。
屋良ら琉球政府は、冷戦構造の変容と沖縄問題をリンクさせる視点がなかったわけではないが、主に「基地密度論」に代表される基地被害の軽減という観点から、在沖米軍基地を縮小することを求めた。他方、佐藤政権が、緊張緩和と在沖米軍基地の削減をリンクさせる発想を持っていたのかは定かではない。
多極化、デタント、そしてニクソン・ドクトリンによってアジア太平洋地域から多くの米軍が撤退したにもかかわらず、在沖米軍の削減は限られたものとなり、アジア太平洋における米軍のプレゼンスを支えるうえでの沖縄の負担は相対的に増していった。沖縄返還とは、日本だけでなくアジア太平洋地域全体が、安全保障面で、即ち米軍の受け入れという点で、沖縄への依存を深めていくプロセスであったといえよう。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 知られざる日米安保体制の"守護者"-昭和天皇と冷戦2006

    • Author(s)
      吉次 公介
    • Journal Title

      世界 (岩波書店) 755

      Pages: 246-259

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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