2005 Fiscal Year Annual Research Report
マッチングモデルを用いた労働理論の研究-日本経済に応用可能なモデルを中心に-
Project/Area Number |
16730099
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新豊 直輝 琉球大学, 法文学部, 助教授 (40325824)
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Keywords | 労働市場 / サーチ / マッチングモデル / 労働移動 / 失業 / 訓練 |
Research Abstract |
平成17年度には、交付申請書の計画に従い、海外の学術雑誌に投稿している3つの論文について、公刊を目指して、改訂や再投稿を行った。 分析を深め、研究の位置づけや意義を明確にして、論文を公刊が期待できる水準にまで高める作業において、特に力を入れたのが、理論モデルと諸外国の実態との対応関係の解明である。労働者の自己鍛錬型の訓練形態と企業による人材育成型の訓練システムを比較した理論研究について、平成17年度には、日本、アメリカ、イギリス、ドイツの若年労働者の訓練システムを調べ、理論モデルとの関連をより明確にした。その結果、イギリスの職業資格制度や若年層の高い流動性を特徴とするアメリカの若年労働市場が労働者の自己鍛錬型の訓練と解釈でき、企業による人材育成が典型的に行われていると考えられるのが日本であるとの結論に至った。ドイツについては、ドイツの訓練システムと理論モデルとは乖離がある可能性が高く、本研究の直接の対象ではないと判断された。また、職の創出と訓練の関係を分析した研究では、労働分野のみならず、都市・地域経済学と関連があることが分かり、そうした視点を取り入れて、研究の位置づけや意義を明確にした。 残念ながら、公刊物という形の具体的成果はない状態である。しかし、ある論文については、雑誌のエディターより改訂と再投稿の機会を得ることが出来た。現在、再投稿の準備中である。他にも投稿中の論文が2つあり、また、平成17年度に行った途中段階の研究もある。本科研費の研究期間内には、海外ジャーナルに論文が受理されるよう活動をしていきたい。
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