2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16730271
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
菅野 剛 日本大学, 文理学部, 講師 (10332751)
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Keywords | 社会的ネットワーク / 社会階層 / MTMM(Multi-Trait Multi-Method) / 郵送調査 / 信頼性 / 妥当性 / 構造方程式モデリング(SEM) |
Research Abstract |
世田谷区で実施した郵送調査データ(世田谷区在住の25歳から64歳までの男女について選挙人名簿より系統抽出、有効回収票374通、有効回収率23%)を分析し、社会的ネットワークの測定法について研究を行った。主な調査項目は以下の通りである:対象者の性別、年齢、居住地域、居住年数、学歴、世帯収入、個人収入、地域での困りごとと対策への参加の有無、社会活動への参加の有無、親しいつきあいの相手3人までについての様々な項目、職場・地域・友人/知人における職場の種類と人数、名刺・年賀状・電子メールのやりとりの人数、主観的健康状態、階層帰属意識、ソーシャルサポートなど。 回収率は決して高いとは言えないが、空き巣等による犯罪被害が世田谷区で多いことによる警戒や、個人情報保護法の施行とプライバシーへの関心が高まっている時期に調査を実施していること等も理由として考えられる。回収票には無回答による欠損値が少なく、協力者は丁寧に回答している傾向等の特徴も見られた。ただし、男性に比べ相対的に女性の方が回答しており、世田谷区地域の特徴を反映して世帯年収の分布が高めに偏っているなどの注意点がある。 調査から得られた主な知見として、性別・年齢を始めとする社会的属性ごとの、社会的ネットワーク指標への無回答率の違い等の基礎的な確認、困りごとを感じている程度・生活満足度などの世田谷区での地域差、性別・年齢・学歴・収入等の社会的属性による社会的ネットワークやソーシャルサポートの相関関係の把握、社会関係と生活満足度の関連等があり、様々な分析を進めた。 また、吹田市で行った既存調査データとの比較項目により、社会的ネットワークの測定項目群をMTMM(多特性・多方法/Multi-Trait Multi-Method)データとして捉え、構造方程式モデリング(SEM)を適用することで、指標の信頼性と妥当性について検証を行った。
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