2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域小規模児童養護施設におけるファミリー・プリザベーションの構築
Project/Area Number |
16730296
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
遠藤 和佳子 関西福祉科学大学, 助教授 (90340869)
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Keywords | 地域小規模児童養護施設 / ファミリー・プリザベーション / ペアレント・トレーニング / 子ども家庭福祉 / モデル構築 |
Research Abstract |
施設養護の現状はケアの個別化に向かっている。児童福祉においても、地域小規模児童養護施設、分園型グループホームなど、施設養護のあり方は、確実にケアの小規模化に向かっていると言えるだろう。特に地域小規模児童養護施設には愛着障害を有している子ども、家庭への復帰が当分望めないであろう子どもや、面会がほとんどない子ども、自立生活援助を必要としている子どもなどが入所している。こうした子どもたちは非常に困難な課題に数多く直面しており、そのため児童養護施設における処遇のみでは彼らの抱えるニーズに対応できない。地域小規模児童養護施設は、そうした問題を何とか解決しようと、できるだけ家庭に近い形で子どもたちを養育すべく設置された施設である。 本研究では、主に「ペアレント・トレーニング・プログラム」に的をしぼり、地域に密着した環境の中で、子どもにとって安定した成長の環境を構築するとともに、クライエントが自らをエンパワーしていく力を身につける地域小規模児童養護施設のファミリー・プリザベーションのあり方について検討した。 平成17年度では、児童養護施設のスタッフたちに聞き取りを行ないながら、国内外における既存の「ペアレント・トレーニング・プログラム」についてリサーチし考察を加え、「ペアレント・トレーニング・プログラム」のモデルを構築する作業を行った。平成18年度においては、宰成17年度に開発したプログラムを、カナダ全土で導入されている「Nobody's Perfectプログラム」を取り入れつつ、より実践に適用できるものとし、地域小規模児童養護施設において実施できる可能性を模索した。その際、プログラムの内容については、カウンセリングなどを重視した心理学的なアプローチによるものではなく、あくまで福祉学的アプローチにおいて家庭復帰を支援し得るプログラムを作成している。
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