2004 Fiscal Year Annual Research Report
対人的ネットワークが世論過程と政治的寛容性にもたらす影響
Project/Area Number |
16730313
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
安野 智子 中央大学, 文学部, 助教授 (60314895)
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Keywords | 世論過程 / ソーシャル・ネットワーク / スノーボーリング調査 / 情報環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は、対人的ネットワーク内の意見や価値観の等質性/多様性の認知が、情報接触および意見・態度の維持/変化に及ぼす影響について検証することである。 初年度に当たる本年は、東京都多摩地区において、有権者を対象としたスノーボーリング法による郵送調査を実施した。スノーボーリング調査とは、調査対象者に、よく話す相手を複数(本調査では配偶者を含めて3名)紹介してもらい、その相手にも同時に調査をする方法である。これにより、現実の意見や寛容度、情報接触のデータがネットワーク単位で取得できる。主対象者は二段階無作為抽出法で20〜69歳の800名を抽出した。主な調査項目は、(1)夫婦別姓など、複数の争点に関する回答者自身の意見、(2)重要な話題について話す親しい他者の名前と、上記争点についての世間全体および親しい他者の意見分布認知、(3)政治的傾向(政治関心、イデオロギー、政党支持など)、(4)日頃接触するメディアと、その接触量および接触パターン、(5)基本的人口学的属性(性別、年齢、職業)などである。結果の詳細については、次年度に報告の予定である。 2005年度には、主回答者を対象に、第2回目の追跡調査(パネル調査)を行い、第1回目の調査の時点でのネットワーク内の意見分布が、態度変容にどのような影響を及ぼしているかを検討する予定である。
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