2005 Fiscal Year Annual Research Report
大学生の認識的信念とコミニケーシン行動:文化的価値観からの検証
Project/Area Number |
16730412
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Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
田崎 勝也 フェリス女学院大学, 文学部コミュニケーション学科, 助教授 (00350588)
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Keywords | 認識的信念 / 学習観 / 文化的自己観 / コミュニケーション行動 / 心理尺度 / 文化心理学 / 定性的研究 / 定量的研究 |
Research Abstract |
本年度は、3年間の研究期間の2年目として、以下の実績をあげた。 (1)インタビューデータの分析と論文投稿準備: 大学生の認識的信念を探索的に調査するために約40名の大学生を対象に面接調査を実施、被験者とのやり取りを記録した文字データにより逐語録を作成した,この逐語録をもとにテーマ分析(thematic approach)を行った結果、大学生に共通する4認識的信念が抽出された((a)暗記についての意識、(b)教師の役割、(c)判断基準、(d)真実の捉えかた)。これらの4信念と米国の調査結果を比較すると、(a)から(c)の3信念は知識の獲得に関する信念(nature of knowing)、(d)の信念は知識自体に関する信念(nature of knowledge)に相当すると考えられる。 (2)心理尺度の作成、アンケート調査および論文投稿準備: インタビュー調査の結果を受けて、各テーマに沿うように約80の質問項目を作成した。これらの質問項目に対して約80名の学生を対象に予備調査を実施、各項目の明瞭さの度合いを5件法で尋ねた。また各テーマと質問項目の内容が一致しているか、内容的妥当性を専門家2名によって検証した。これらの2段階のスクリーニングによって残った22の質問項目を対象にデータを収集、確証的因子分析を行った結果、データとモデル間に高い適合性が示され、概念的妥当性が認められた(x^2=820.98,p<0.001,GFI=0.924,AGFI=0.905,RMSEA=0.055)。また各因子別の尺度の信頼性を示すω係数は、暗記=0.57、教師=0.56、判断=0.55、真実=0.71であった。 (3)多文化関係学会全国大会での論文発表: 2005年11月に名古屋学院大学で開催された第4回多文化関係学会全国大会に参加し、面接調査で明らかになった4認識的信念および学習への影響などを報告した。
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