2004 Fiscal Year Annual Research Report
グループ活動を基盤とした文章表現学習の教材開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16730421
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 一貴 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (30345772)
|
Keywords | 書くことの学習指導 / 作文指導 / グループ学習 / 授業研究 / 授業の談話分析 / テクスト分析 / ジャンル分析 / 社会的構成 |
Research Abstract |
平成16年度は、本研究における社会的行為としての書くことの学習過程に関する学習者の言語行動の調査と分析を進めた。 1.調査にあたり、附属学校教員と共に学習者の実態把握と研究調査に向けた協議を重ねた。それに基づき、「課題の文章を読んで考えを書く」クラスと「課題の文章を読んで共通の論点を提示して書く」クラスの2つにおいて、それぞれ第1次調査として自分の考えを書く、第2次調査として小グループでの意見交流を通して意見を書くという過程について記録をとることとした。この計画に即して、岐阜大学附属小学校の5年1組と3組、岐阜大学附属中学校1年1組と2組において、それぞれグループ活動を取り入れた学習過程の記録・調査を行った。記録では、ビデオカメラ、ICレコーダーを各グループに設置し、グループ活動を通した書くことの変容過程関する記録をとり、音声と文字の面からデジタル化した資料を作成した。 2.記録と資料に基づき調査を担当した附属学校教員と共に協議会を設け、学習活動における相互作用過程の分析を進めた。そこでは、論点を設定しないクラスの方が全般的に学習者の書く活動が促進されるという当初の予測とは異なり、論点を与えたクラスの方がグループでの交流活動と第2次調査での書く活動において内容の面で変化が大きく、量的にも大きな増加が見られることが確認された。このことから、論点の設定による学習集団の行為の違いが把握され、教室における社会的行為としての書く活動、共同体における書くことの社会的構成という視点から今回収集した資料に基づく書くことの学習をとらえていくための基本枠組が設定された。 3.研究代表者のこれまでの研究に基づき、言語の社会性を基盤とした学習者の書く行為をとらえるための分析枠組みに関する研究を進め4つの論文として発表し、本研究における資料の分析方法の枠組みを設定した。
|
Research Products
(4 results)