2005 Fiscal Year Annual Research Report
冪零軌道の幾何学を用いた指標層及びDeligne系列の研究
Project/Area Number |
16740025
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
面田 康裕 明石工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (30332042)
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Keywords | secant / Deligne / 階数 / b-関数 / リー環 / 冪零軌道 / ジョルダン標準形 / 行列 |
Research Abstract |
単純リー環の冪零軌道は、対応する単純リー群の表現論と深い関係がある。本研究においては、以下のことを目標としている。まず、冪零軌道の代数幾何学的性質、特に、その双対多様体やsecant多様体といった対象を調べる。さらに、そこで得られた研究成果を用いて、単純リー群の表現論、特にLusztigによる指標層の研究をおこない、カスピダル指標層の特性サイクルを完全に決定すること。また、Deligne系列と呼ばれる例外型単純リー環の系列に関する様々な結果(例えば冪零軌道に対応する概均質ベクトル空間のb-関数に関する規則性など)の統一的な理解を得る事が目標である。 平成17年度は、昨年度得られた冪零軌道のsecant多様体の明示的な表示をより扱いやすいものにすることと、冪零軌道のhigher secant多様体の明示的な記述を得る事を考えた。古典型リー環の場合、特にA,C型の場合には、すべての冪零軌道についてそのhigher secant多様体の具体的な記述を決定できた。B、D型については、(2,・・・,2)型の第2、3 higher secant以外の場合に冪零軌道のhigher secant多様体の具体的な記述を決定した。今年度得た表示は、昨年度のカルタン代数によるものとは異なり、基本的に行列の階数のみによりhigher secant多様体が決定されているといった記述がなされており、この結果は表現論や代数幾何学への応用に際してより扱いやすく、今後の応用が期待できるものと考えている。 また、これらの得られた結果を京都大学や早稲田大学、山梨大学における表現論及び代数幾何学の研究室におけるセミナーで発表した。
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