2005 Fiscal Year Annual Research Report
BP理論を用いた有限スペクトラムの安定ホモトピー群の研究
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16740043
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Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
中井 洋史 大島商船高等専門学校, 一般科目, 講師 (80343739)
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Keywords | トポロジー / 代数学 / 一般コホモロジー / ホモトピー論 / ホモロジー代数 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、特殊ユニタリ群SU(p^m)のループ空間上のThom空間T(m)を用いて、有限スペクトラムの安定ホモトピー群に収束するAdams-Novikovスペクトル系列のE2項に関する研究を進めている。特に、E_2項のExt群の次元が低い場合(0次元もしくは1次元)は、2005年中にその構造を完全に決定出来た。また2次元以上の構造を調べるためには、その前段階として「原始的ベータ元」と呼ばれる元を完全に決定する必要があったが、これも2005年9月にハーバード大学に約3週間滞在して、共同研究者のDouglas C.Ravenel氏との研究連絡をおこなった際に完了出来た。 これらの成果は、現在までに関連論文3本として準備中であり、これで最終年度である次年度の研究取りまとめのための準備がほぼ整ったといえる。 一方、Mike Hopkins氏らによる位相的モジュラー形式(Topological modular form)の理論に代表されるように、90年代以来数論とトポロジーの関連が急速に進みつつあるが、最近のRavenel氏の研究によって楕円曲線以外の曲線からも一般コホモロジーが得られることが明らかになってきた。特に、代数曲線の上の自己同型を考えることによりホップ亜代数を構成することが知られていて、随伴するExt群は一般コホモロジー論を特徴付けている。 これを受けてExt群の構造決定の研究を開始し、その成果を最近のアメリカでの研究動向と共に2006年1月に広島大学のトポロジーセミナーで報告した。さらに、3月には名古屋大学の土屋昭博氏や名古屋工業大学の南範彦氏と共同で位相的モジュラー形式についての研究集会を所属機関に於いて開催して、研究者の間で専門的意見を交換した。
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