2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16740095
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 倫弘 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (00346769)
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Keywords | von Neumann algebra / automorphism |
Research Abstract |
本年度は、フォンノイマン環と、その上の自己同型写像の研究を行った。まず、フォンノイマン環上の反自己同型写像に対して、岸本型の定理を証明した。この定理に関しては、P.J.Staceyがすでに類似の定理を証明しているが、彼の定理は、主張が私のものより弱い。実際、私の結果からは、任意の反自己同型写像に対して、それによってdisjointなものに移る純粋状態を構成することができる。さらに、応用として、反自己同型写像のGlimm型定理を証明した。この定理によって、私が以前に書いた論文の中で提唱した問題「任意の転置写像に対し、それで不変な純粋状態が存在するか?」に、肯定的な解答を与えた。それだけではなく、転置写像で不変な任意の型の状態を構成できることも示した。 これらの結果は、International journal of Mathematicsより本年度出版された。 次に、ごく最近Popaが証明した、mixing actionに関する驚くべき剛性定理を利用して、Popaの定理を、より精密化することに成功した。正確に言うと、可算ICC property T群のBernoulli作用について、接合積で作ったフォンノイマン環が同型ならば、群も自動的に同型になることを証明した(注:Popaは作用が軌道同型になるところまで証明したが、私は作用が同型になることを示した)。 また、このようにしてできるフォンノイマン環上の自己同型写像に関する、ある種の構造定理も得ることができた。この結果は、今後の応用が期待される。 これらの結果は、現在準備中の論文に書くつもりである。 研究費は、研究集会への参加旅費、文献の購入、コンピューターの購入などに用いた。
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Research Products
(2 results)