2005 Fiscal Year Annual Research Report
乱流核燃焼のサブグリッドモデルの構築と炭素爆型超新星への応用
Project/Area Number |
16740111
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐野 孝好 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助手 (80362606)
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Keywords | 超新星爆発 / 連星 / MHD |
Research Abstract |
炭素爆燃型超新星爆発に至るプロセスの候補として、白色矮星同士の合体過程が考えられている。しかしながら、定量的な解析が十分とは言えず、この合体過程で実際に超新星爆発が引き起こされるのかどうか不明な点が多い。そこで我々は、合体過程の流体シミュレーションを行い、超新星爆発の起こる条件を詳細こ解析した。計算手法としては、リーマン問題の解を取り入れて衝撃波問題にも対応できるように工夫されたSPH法を用いた。 その結果、白色矮星同士の合体後に超新星爆発が起こる確率は非常に低いことがわかった。唯一の可能性としては、合体直後に主星の周りに形成される降着円盤からの質量降着率が低い場合がある。しかし、降着円盤中の磁気乱流から期待される降着率は、この臨界値よりもはるかに大きい。したがって、炭素爆燃型超新星は白色矮星と赤色巨星の連星系の進化の結果として起こるのが一般的であると言える。 また、重力崩壊型超新皇爆発の際に形成される原始中性子星における磁場の役割が近年注目されている。特に、磁場強度は超新星爆発の新たなエネルギー源として期待されている。そこで、原始中性子星における磁気流体不安定の線形解析を行い、不安定性による磁場増幅の可能性を調べた。 線形解析では、星内部で重要となる温度勾配や平均分子量勾配、熱拡散や磁気拡散等をすべて考慮した。その結果、回転速度シアーが大きいと考えられている原始中性子星では、非軸対称の磁気回転不安定が最も速く成長することがわかった。特に、回転軸付近での成長率が高く、その領域で効率的な磁場増幅が起こることで星の非球対象構造が生じることが期待される。このことは、今後ニュートリノ輸送等を考慮に含める場合に、極めて重大な効果を及ばすと考えられる。
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Research Products
(2 results)