2004 Fiscal Year Annual Research Report
古地磁気データを用いた過去80万年間の地球磁場変動の解明
Project/Area Number |
16740258
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
畠山 唯達 岡山理科大学, 情報処理センター, 講師 (80368612)
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Keywords | 地磁気永年変動 / 古地磁気データ / ブリュンヌ正磁極期 |
Research Abstract |
平成16年度中に、科学研究費補助金の補助を受けて以下のような研究を行った。 (1)古地磁気変動解析に用いるデータの収集:現在、ターゲットとして、過去80万年間分の堆積物の生データのほかに、強度と方向の基準点になるいくつかの火山岩試料を収集している最中である。また、過去数千年分の堆積物・考古地磁気試料のデータも集めて、整理している。時系列データを扱う上で、年代測定の誤差の測定値への影響についても検討している。 (2)解析手法の開発:過去の研究で私は火山岩に対する古地磁気的な研究から得られた、地球磁場の(強度のない)各方向余弦成分を用いて解析を行ってきた。しかし堆積物に関しては、偏角が信用できないデータも多いので、伏角と強度(相対/絶対)を用いて逆問題を解く手法を開発している。また、畠山・河野(2003)で方向余弦成分への応用法を示した、Mochizuki (1994)の線形問題への変換法を利用した解析手法についても、本研究の問題に応用できるかどうか、検討している。 (3)古地磁気時間連続解析のベース(基本場)に利用する変動の平均(平均地球磁場)と振動幅(古地磁気永年変化)の関係に関する研究:過去数百万年間分の地磁気変動の基本場として、平均地球磁場と古地磁気永年変化を使用することが必要である。軸対象双極子場以外の磁場成分や古地磁気平年変化があるために引き起こされる時間平均への見かけの影響は、時間平均方向を利用する際に大きな困難となることが示された。また、これまでに求められてきた平均場と振動幅は先験的情報として、堆積物を用いた連続的な変動の解析にも有用である事が予想される。この研究成果を地学雑誌に投稿した(現在受理されて掲載準備中)。
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Research Products
(1 results)