2004 Fiscal Year Annual Research Report
西南日本-朝鮮半島における660km不連続面の深さ異常の面的マッピング
Project/Area Number |
16740262
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
東野 陽子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90359183)
|
Keywords | 上部マントル / マントル不連続面 / 660km不連続面 / sScSS660S波 / Spectral element method / Hi-net / トモグラフィー / スタグナントスラブ |
Research Abstract |
2002年6月に生じたウラジオストックの巨大深発地震を観測した日本の高密観測点Hi-net,F-netと三次元不均質構造に対して最新の理論波形計算法(Spectral Element Method)を用いて日本列島下のマントル不連続面の深さを詳細に調べた。 sScS波が660kmマントル不連続面で反射して生じるsScSS660S波の走時を理論波形と比較することで理論値との差を正確に求め、その差を生じさせる不連続面の深さ異常を求めるという解析手法を用いたが、sScSS660S波の走時には、観測点側の660km不連続面の深さも影響してくる。理論波形を用いて観測点側と震源側の不連続面の深さの違いによるsScSS660S波の理論走時の変化、波形変化を明らかにし、その特徴を考慮して日本列島下のマントル不連続面の深さ決定を行った。 その結果、西南日本下では660km不連続面は西に向かって連続的に下降し最大約30km深くなりトモグラフィーのイメージと一致したが、スラブが存在し続けている九州西端下で不連続面の深さは660kmに戻り最西端の対馬では約5km上昇するという不一致が明らかになった。 九州西端下での上昇傾向がさらに西側に進むとどう変化するかを調べるために、日本周辺で起こった他の深発地震を用いて解析領域を広げ、さらに韓国における広帯域データを用いて660km不連続面の深さを求めることが重要である。現在、3つの深発地震を用いてHi-net、F-netのデータについて解析を行い解析領域を広げることを試みている。また、韓国における広帯域データを解析するためにKorea Institute of Geology, Mining and Materials (KIGAM)との共同研究を申し込んだが、データ提供の要請までに到らなかった。
|