2004 Fiscal Year Annual Research Report
大気境界層内の乱流プリュームの内部構造と発達過程に関する数値的な研究
Project/Area Number |
16740265
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠田 太郎 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助手 (50335022)
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Keywords | 東アジアモンスーン域 / 大気境界層 / 湿潤層 / 水蒸気起源 / 大気海洋・大気陸面相互作用 / プリューム / 水蒸気の鉛直輸送 |
Research Abstract |
大気境界層内の乱流プリュームの構造を解析するための数値計算を実施中である。今年度は計算の実施に必要な計算機環境の整備(ハードディスクの購入)を行った。数値計算は、現在、2002年に宮古島において実施された大気境界層観測のケースを対象として、水平解像度、鉛直解像度、初期偏差や地表面過程を変えて感度実験を行っている段階であり、具体的な成果や実績を出すには至っていない。 また、大気境界層内の構造についての数値実験を実施する一方で、本数値実験の研究対象地域として想定している、東シナ海上(2002年宮古島における観測結果)や中国大陸上(2003年より開始され、現在まで連続観測を実施している安徽省寿県における観測結果)の大気境界層構造を気候学的に位置づけるための研究も行った。本研究成果は、2度の国際学会での発表を経て、論文としてまとめることができ、Journal of the Meteorological Society of Japan, Vol.83,No.2に掲載される予定である。 数値実験の結果を検証するために、2002年宮古島における観測結果と2004年の中国安徽省寿県における観測結果の取りまとめも行っている。それぞれ、エアロゾンデやウィンドプロファイラなどの測器を用いて得られた結果をもとに、乱流プリュームの水平スケール、内部の鉛直風速、到達高度についてのデータ整理も行った。現在実行中の数値実験の結果から、両地域における大気境界層内のプリュームの構造についての詳細な解析を行うとともに、観測結果との比較を行うことによって、その結果の妥当性についても議論を行っていく予定である。
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