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2004 Fiscal Year Annual Research Report

走査トンネル顕微鏡を用いた単一分子の電気伝導特性の評価

Research Project

Project/Area Number 16750022
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

片野 諭  独立行政法人理化学研究所, 川合表面化学研究室, 基礎科学特別研究員 (00373291)

Keywords分子エレクトロニクス / ナノエレクトロニクス / 走査トンネル顕微鏡(STM) / 走査トンネル分光法(STS) / 電気伝導度 / 単一分子化学
Research Abstract

本研究課題は、単一分子の電子状態および電気伝導を走査トンネル顕微鏡(STM)をベースとした走査トンネル分光法(STS)により明らかにすること、機能性を持たせた官能基修飾に伴う分子の吸着構造および電気伝導の変化を明らかにして分子デバイスとしてコントロールできる環境を見いだすことを目標としている。平成16年度において、下記の事項を明らかにした。
1.イソシアニド末端基の可逆的な化学反応の制御
イソシアニド末端基(-NC)は、電気伝導性のよい金属-分子間の接合を形成できることから分子エレクトロニクスにおける電極の架橋部として用いられることが期待されている。STMを用いてNC末端基を有するメチルイソシアニド(CH3NC)分子を吸着させたPt(111)表面の局所観察を行った。NC末端基は、室温で水素ガスの導入により容易に水素化された。またSTMの探針から2.8V程度の電圧パルスを与えることにより水素を取り除き元のNC末端基に戻すことに成功した。水素ガスの導入と電圧印可を組み合わせることによりNC末端基を水素で可逆的に化学修飾させることが可能であり、局所的に電気伝導特性をコントロールできる可能性が強く示唆される。
2.電子励起を介した単一分子の選択的な反応制御
Ni(110)表面に吸着させたギ酸分子にSTMの探針から2V〜4Vの電圧を印加したところ、2.5V程度の電圧値を境として低エネルギーでは分子脱離、高エネルギーでは脱水反応と分子脱離が起こることを見いだした。印加するエネルギーにより反応選択性を与えることができるのかを密度汎関数理論(DFT)を用いて検証したところ、最低非占有軌道(LUMO)のエネルギーレベルが、反応中間体において高エネルギー側にシフトする事により脱水反応のしきいエネルギーが高くなることが示唆された。

  • Research Products

    (1 results)

All 2004

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Single Molecule Reaction and Spectroscopy Via Vibrational Excitation2004

    • Author(s)
      Maki Kawai
    • Journal Title

      Philosophical Transactions of Royal Society of London A 362

      Pages: 1663-1171

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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