2004 Fiscal Year Annual Research Report
フルオラス及びイオン性液体中の超ルイス酸・塩基複合系触媒反応の開拓とリサイクル化
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16750087
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Research Institution | The Noguchi Institute |
Principal Investigator |
吉田 彰宏 財団法人野口研究所, 研究部, 研究員 (10292301)
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Keywords | フルオラス化学 / ルイス酸触媒 / スルホンイミド / ランタニド / 流通反応 / エステル化 / ルイス塩基触媒 / イオン性液体 |
Research Abstract |
グリーンケミストリーを指向した環境調和型反応の開発が強く求められている昨今,グリーンな溶媒として知られるフルオラス溶媒とそれに固定化されリサイクル可能な触媒を用いる反応の開発は,重要な課題のひとつである。本年度は,フルオラス/有機二相系(Fluorous Biphasic System ; FBS)ルイス酸触媒反応の工業化を視野に入れて,エステル化反応や過酸化水素水によるBaeyer-Villiger反応の流通反応化を行い,エステル化反応に関してはベンチスケールでの反応も検討した。 流通反応の装置にはリアクターとデカンターが独立した形の装置を用いた。連続的に基質の有機溶液をリアクターへ供給し,リアクターで懸濁液状態で反応させた後,反応液をデカンターへ送って相分離させ,上相である有機生成物相をオーバーフローによって取り出すシステムである。 フルオラスルイス酸触媒Yb[N(SO_2C_8F_<17>)_2]_3を1mol%相当用いたトルエン/GLADEN^<【○!R】>SV135系におけるシクロヘキサノールのアセチル化反応では,実験室スケールでの反応でTON【approximately equal】5800を達成した。ベンチスケールで反応を行うと,反応時間400時間でTON【approximately equal】10000を達成した。ただし,反応後のリアクター内のフルオラス相に触媒がほとんど存在していないという事実から,触媒が生成物相へ流出してしまったことが考えられたので,生成物相から触媒をSV135で抽出した後,リアクターへ返す操作を2回行うことで,TON【approximately equal】22000を達成した。 また,過酸化水素水によるBaeyer-Villiger反応では,固定相がフルオラス相,移動相が有機相と水相からなる三相系の反応で困難が予想されたが,Sn[N(SO_2C_8F_<17>)_2]_4による2-アダマンタノンの反応で,対応するラクトンをTON【approximately equal】2200で得ることに成功した。
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Research Products
(3 results)