2004 Fiscal Year Annual Research Report
可逆的付加-開裂連鎖移動型ラジカル重合による刺激応答性ブロックコポリマーの合成
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16750102
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
遊佐 真一 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00301432)
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Keywords | ブロック共重合体 / リビングラジカル重合 / 連鎖移動 / 刺激応答性 / pH応答性 / 温度応答性 / ミセル / 蛍光 |
Research Abstract |
これまで合成の困難とされてきた、外部刺激に応答性を示す水溶性ブロック共重合体を可逆的付加-開裂連鎖移動(RAFT)型リビングラジカル重合法により合成し、外部刺激に対する応答挙動を調べた。外部刺激としては、pHの変化および温度変化の利用を検討した。 まず、pHに応答性を示すブロック共重合体の合成を行なった。具体的にはpH変化に依存せずに水溶性を保つスルホネートや第4級アミンを側鎖結合したブロックと、カルボン酸や第3級アミンなどpHの変化により、水に対する溶解性の変化する官能基を側鎖結合したブロックからなる、ブロック共重合体をRAFT型ラジカル重合法により合成した。重合の際のコンバージョンの増加に伴い、ポリマーの分子量は増加した。また、回収したポリマーの分子量分布はせまかったので、重合はリビング的に進行したと考えられる。スルホネート基とカルボキシレート基をそれぞれ側鎖結合したブロック共重合体は酸性の水溶液中でカルボキシレート基を含むブロックを疎水性のコアとする高分子ミセルを形成し、アルカリ性の水中でミセルは解離した。また、第4級アミンと第3級アミンをそれぞれ側鎖結合したブロックからなるブロック共重合体の場合は、アルカリ性の水中で第3級アミンを含むブロックをコアとする高分子ミセルを形成し、酸性の水中では高分子ミセルは解離した。 また、温度応答性ブロック共重合体として側鎖にスルホネート基を含むブロックと、下限臨界溶液温度(LCST)を示すことが知られているN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)ブロックによるブロック共重合体の合成も行なった。このブロック共重合体はNIPAMブロックのLCSTより下の温度ではミセルは形成せずに単独のポリマー鎖として水に溶解するが、NIPAMブロックのLCST以上の温度ではNIPAMブロックを疎水性のコアとする高分子ミセルを形成することがわかった。
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Research Products
(5 results)