2004 Fiscal Year Annual Research Report
熱フィラメントCVD法による金属内包フラーレンの合成
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16750115
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 俊也 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノカーボン研究センター, 主任研究員 (90314054)
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Keywords | 熱フィラメントCVD / 金属内包フラーレン / カーボンナノチューブ / 発光スペクトル / ピーポッド / FET |
Research Abstract |
(1)熱フィラメントCVD法を用いて、フラーレンを合成することに成功した。従来、フラーレンは、減圧下の不活性ガス雰囲気中において、炭素および金属触媒を用い、直流アーク放電やレーザー蒸発をすることによって、合成されていた。しかし、これらの方法では原料に比較的高価なグラファイトを用い、また生産量も限られているため、それらに代わる安価な大量合成法が望まれていた。トルエンなどの有機溶媒を燃やす燃焼法によって、フラーレン合成が行われているが、この方法では金属などを内包した金属内包フラーレンを合成することは難しい。このように従来法では困難であった、合成効率のよい、安価なフラーレン、カーボンナノチューブ合成法として、熱フィラメントCVD法を開発した。この方法では、低圧下の有機溶媒蒸気中で金属フィラメントを通電加熱して、有機分子を熱分解し、フラーレンを合成した。 また、CVD法で合成したカーボンナノチューブにフラーレンを内包させることにも、世界で初めて成功し、そのFET特性を研究した。 (2)金属内包フラーレンやカーボンナノチューブからの発光過程を蛍光測定装置を用いて調べた。特に、CVD法で合成されたSWNTsにおいて、as-grown状態から発光信号を得ることに初めて成功した。As-grown状態から発光が得られた理由は、試料中に孤立あるいは数本のバンドル状態になったSWNTsが偶然含まれていたためだと思われる。そして、得られた6本の発光信号の相対強度を、現在最も良く用いられているSDS重水溶液のそれと比べることによって、SDS分散過程のSWNTs依存性を調べた。その結果、SDS分散溶液では直径の細いSWNTsからの発光強度がより強調されており、細いSWNTsを優先的に分散させていることがわかった。
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[Journal Article] Synthesis of carbon nanotube peapods directly on Si substrates2005
Author(s)
Y.Ohno, Y.Kurokawa, S.Kishimoto, T.Mizutani T.Shimada, M.Ishida, T.Okazaki, H.Shinohara, Y.Murakami, S.Maruyama, A.Sakai, K.Hiraga
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Journal Title
Appl.Phys.Lett. 86
Pages: 023109
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