2004 Fiscal Year Annual Research Report
セミマクロスコピックスケールの巨大磁気モーメントイメージング
Project/Area Number |
16750127
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
古川 貢 分子科学研究所, 分子集団研究系, 助手 (90342633)
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Keywords | 磁気双極子スピン波 / lateral Walkerモード / 電子スピン共鳴イメージング / 強磁性パーマロイ |
Research Abstract |
現在までに、ミクロンスケールの人工周期構造を有する強磁性パーマロイ(Fe_<20>Ni_<80>)の人工格子薄膜のX-band強磁性共鳴スペクトル測定により、2つの新しいモードが生じることを明らかにしてきた。その2つの新規量子モードとは、微小磁性体間の磁気双極子相互作用を起源とした磁気双極子スピン波モードと、微小磁性体の幅方向がミクロンスケールになったことにより生じる横方向のWalkerモードである。本研究の最終目的はセミマクロスコピックスケールの新規量子磁気モードの可視化である。その一方で、上記2モードは、動的磁気特性であり周波数依存性があることが期待される。そこで、Q-band(〜35GHz)システムで、強磁性人工格子薄膜の強磁性共鳴スペクトル測定を行った。スペクトルの特徴は、X-bandスペクトルと同様であり、メインシグナルとその高磁場側に複数のサテライトシグナルを持つスペクトル構造であった。Q-bandスペクトルがX-bandと同様の特徴を示したことは、2種の新規量子磁気モードは、Q-band周波数と比べて十分に早い動的磁気特性であることを示唆している。また得られたスペクトルは全体的に高磁場側にシフトしており、高磁場にしたことによるゼーマン項の効果が現れていることが明らかになった。 より大きな磁場勾配を作ることが、イメージングの分解能に直結する。現在、高分解能ESRイメージングに必要な、大きな磁場勾配を作成するために、磁場勾配用アンチヘルムホルツコイルを思考錯誤中である。磁場勾配コイルを作成の上、イメージングを行う。
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