2004 Fiscal Year Annual Research Report
スピネル型リチウムマンガン酸化物の結晶構造及び電子構造に関する研究
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16750179
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| Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
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Principal Investigator |
高橋 靖彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門・結晶機能制御研究グループ, 研究員 (00373407)
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| Keywords | リチウムイオン二次電池 / リチウムマンガン酸化物 / 単結晶合成 / 単結晶X線解析 / 第一原理計算 |
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| Research Abstract |
リチウムイオン二次電池は、移動型電子通信機器等の電源として広く用いられているが、環境、コスト等の観点から現在でも研究が精力的に進められている。その中で、正極材料として5V級の作動電位を有するスピネル型リチウムマンガン酸化物遷移金属置換体の研究が活発になっている。この物質群は単結晶作製の困難さから粉末試料による研究が多数であり、単結晶による研究例は非常に少数である。そこで、単結晶試料合成法の確立、X線結晶構造、物性測定、第一原理計算手法による電子状態計算との比較、検討により、LiMn_<1-x>M_xO_4(M:遷移金属)を中心としたアルカリ遷移金属酸化物の結晶構造、電子構造等の詳細を明らかにすることを目的として研究を遂行した。本年度の成果においては、低温溶融塩法、フラックス法等による新規合成方法により、スピネル型リチウムマンガン酸化物ニッケル置換体について、結晶性が非常に良い単結晶粒子の作製に成功した。さらに、焼成時間、温度、雰囲気等を制御することにより、1ミクロンから100ミクロンのオーダーにおいて単結晶の粒度制御が可能であることを明らかにした。また、本合成方法により他の遷移金属を置換した物質も合成可能であることを明らかにした。作製した試料の結晶構造、電子構造、電気化学特性等の詳細な結果については今後論文誌上等に報告する予定である。また、関連物質としてアルカリ遷移金属酸化物の中で、層状構造を有するコバルト酸ナトリウムについて、フラックス法による単結晶合成に成功し、X線回折法と第一原理計算法の併用により、結晶構造、電子構造の詳細を明らかにし、論文誌上に報告した。また、スピネル型リチウムマンガン酸化物の低温相における結晶構造の詳細を単結晶X線回折法により明らかにし共著により論文誌上に報告したが、相転移前後における電子レベルでの構造変化についても今後議論可能であると考えている。
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