Research Abstract |
MgB_2薄膜形成のために開発したメタルプレートキャップメルト(MCM)法において,到達真空度の向上を図り,ゼロ抵抗温度が32K,臨界電流密度が4.2Kで3×10^6A/cm^2を得た.また,酸素中でのMgB_2成膜にも成功した(Physica C掲載).酸素中でのMgB_2成膜法の確立により,酸化物高温超伝導体(HTS)との異種接合を行った. HTSとして,NdBa_2CuO_3u_7(NBCO)を採用したが,NBCO/MgB_2接合においては,接合サイズの微小化に失敗し,良好なトンネル特性は得られなかった.そこで,接合サイズを微小化するために,MCM法の特長を活かしたリフトオフ法を開発した(IEEE Trans.Appl.Supercond.掲載予定).さらに,HTSとして,表面平滑性の良いBi_2Sr_2CaCu_2u_8(BSCCO)を用い,界面に自然バリアの代わりにコヒーレンス長が短く拡散伝導をするノーマル金属としてAgを採用した.その上にリフトオフ法により5×5-75×75μm^2のMgB_2超伝導層を形成し,SNS型トンネル接合作製に成功した.結果として,これまでトンネル接合で観測されたことがなかったMgB_2のtwo gap構造の観測に成功し,その温度依存性測定にも成功した(投稿準備中). しかしながら,接合の断面TEM観察においては,MgB_2とHTSの材料強度が極端に異なるために,現在のところ成功していない. また,MCM法を用いた転移温度向上の研究中に,MgB_2とは異なる硼化物であるAg-B系において,新超伝導体を発見した(J.Phys.Soc.Jpn.掲載). (以上,680文字)
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