2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブを用いた電界誘起波長可変発光素子・超小型分光器の開発
Project/Area Number |
16760016
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
牧 英之 独立行政法人理化学研究所, 石橋極微デバイス工学研究室, 基礎科学特別研究員 (10339715)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 発光素子 / 電界効果トランジスタ / 単一電子トランジスタ / バンドギャップ制御 / 応力印加 |
Research Abstract |
本研究では、カーボンナノチューブの両端から電子と正孔を注入し発光する、新しい電界誘起によるカーボンナノチューブ発光素子の開発を最終的な目標とした研究提案であった。そして、具体的には、 (a)2つのゲート電界印加による電子・正孔生成の独立制御とそれらを用いた新規発光素子の開発 (b)引っ張り応力印加によるエネルギーギャップの連続制御および波長可変素子への応用 の2つの研究段階を行うことを目標とした。 研究段階(a)については、発光素子の開発を行うために、まずは発光可能なカーボンナノチューブを作製するところからスタートした。本研究ではカーボンナノチューブをミセル化することにより一本のカーボンナノチューブを孤立化して、発光可能なカーボンナノチューブを得ることを試みた。ミセル化したカーボンナノチューブをフォトルミネッセンスにより測定したところ、フォトルミネッセンスを観測することに成功した。また、一本のカーボンナノチューブへのゲート電界印加については、2つのゲート電極をもつデバイスを作製して、低温での電気伝導を測定することにより局所的なゲート電圧印加が可能であるかを調べた。その結果、クーロンピークが2つのゲート電圧に依存して格子状に観測することが観測され、一本のカーボンナノチューブに対して局所的なゲート電圧印加が可能であることを示した。 研究段階(b)については、圧電素子を用いて引っ張り応力が印加可能なデバイスの作製を試みた。その結果、応力印加可能なデバイスを作製することに成功した。圧電素子に電圧を印加することにより2枚の基板間の間隙を変化させることが可能なデバイスが得られた。
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