2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮井 英次 京都大学, 工学研究科, 研究員(COE) (60372570)
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Keywords | フォトニック結晶 / 半導体レーザー / 面発光レーザー / 光波解析 |
Research Abstract |
2次元フォトニック結晶面発光レーザーでは大面積かつ単一モードのレーザー発振が可能となる。この性質により、大出力狭出射角面発光レーザーを作製することができ、様々な応用が期待される。今年度は半波長位相シフト構造を利用したビーム形状制御に関する解析を行った。 このデバイスはフォトニック結晶中に設ける空孔の形状を真円にとると、ビーム形状がリング型になり、偏光がリングの接線方向を向くという特徴を有する。リング状ビームは光ピンセット等への応用が期待されるが、本デバイスを一般的な用途に用いるには直線偏光をもつ単峰ビームが有利である。空孔形状を楕円化することで偏光を揃える事ができるが、ビームが双峰となる問題があった。そこで、位相シフトを導入して時間領域差分法(FDTD法)で解析を行った。その結果、発振モードにおいて直線偏光をもつ単峰の遠視野が得られることを確認した。また位相シフト構造が2次元的光結合強度に影響を及ぼさないことと、偏光度を強調することも見出した。これらの理論的予測は実験的にも確認された。 また、真円空孔に位相シフトを1本導入したデバイスに対する実験から、ビームが8の字型になるという興味深い事実が分かった。この結果を理論的に考察したところ、位相シフトの効果に加え、デバイス上部に配置した電極の遮蔽効果により8の字型の遠視野像が得られることが分かった。そこで、より多彩なビーム形状を得るため、位相シフトを複数本導入した構造の解析を行った。まず位相シフトを2本交差するように導入した場合、リングが4つに連なったような形状のビームが得られることが分かった。これについても、計算結果と実験結果がよく一致した。さらに、位相シフトを2本平行に導入した構造では、2個のリングが分離したビームが理論解析により得られた。これらの結果は、例えば多重トラップ可能な光ピンセット等、新しい応用の可能性を示唆している。
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Research Products
(2 results)