2004 Fiscal Year Annual Research Report
離散転移動力学法を用いた結晶粒径依存マルチスケール解析システムの開発
Project/Area Number |
16760079
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 龍介 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (80363414)
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Keywords | 離散転位動力学法 / 分子動力学法 / 均質化法 / マルチスケール解析 / 寸法効果 / 結晶塑性 / マイクロメカニクス / 介在物 |
Research Abstract |
機械材料の高性能化や高度な構造健全性の要請のため、ミクロスケール構造変化に立脚した力学モデル構築の試みが盛んになされている。中でも代表的なアプローチとして、量子計算から原子間相互作用力を定義し、分子動力学法による欠陥構造のダイナミクスの理解を経て、離散転位動力学法による転位構造と力学特性の関連の解明へと繋げようとする一連の研究が挙げられる。しかしながら、離散転位動力学問題の単なる大規模化によってマクロな構造解析を実施することは非現実である。本研究ではこの問題点を突破するために均質化理論に基づく解析手法の開発を行なった。まず、連続体解析における代表体積要素内に周期条件を仮定した離散転位動力学問題を格納することで、連続体によるマクロ問題と離散転移動力学法によるミクロ問題を結合したマルチスケール解析手法の定式化を行なった。そして、2次元一滑り系条件下で動作するプログラムを開発し、離散転位動力学解析によって転位運動による塑性現象が適切に再現し得ることを確認した。引き続き有限要素法による解とマイクロメカニクス的アプローチによる理論解を重ねあわせることでミクロ問題に任意形状の弾性体介在物が含まれる場合に対して理論を拡張した。そして、本理論を用いた解析プログラムを開発し、長方形の介在物を含む問題の解析を行ない、介在物まわりの転位源の活性化、及び、転位の蓄積挙動と応力-ひずみ曲線の関係について調べた。さらに、介在物の寸法を小さくした場合には、降伏応力、加工硬化係数が顕著に増加する寸法効果が現れることを確認した。また、この過程で多重局展開を転位の長距離相互作用力の計算に用いることで計算の高速化を可能とした。ここで、離散転位動力学法で用いる転位運動則は、分子動力学シミュレーションを用いてα鉄単結晶のせん断変形を実施し、せん断応力と転位運動速度の関係を求め決定した。
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Research Products
(6 results)