2004 Fiscal Year Annual Research Report
接触作業における人間の運動制御メカニズムの解明と運動機能訓練支援システムへの応用
Project/Area Number |
16760203
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 良幸 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40336920)
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Keywords | 随意運動制御メカニズム / 拘束運動 / 可操作性 / インピーダンス制御 / 運動機能訓練 |
Research Abstract |
本年度は,拘束条件に対する筋骨格系の調節メカニズムを解明することを目的として,仮想拘束運動解析システムを用いて拘束運動中の手先運動特性と上肢姿勢および,操作感覚の相互関係を定量的に評価・解析を行った.そして,人間が拘束力を巧みに利用するとともに,その大きさと方向が操作感覚に大きな影響を与えることが明らかとなった.主要な結果は以下の通りである. 1.仮想シフトレバー装置の開発 拘束運動中に環境特性が変化する一例として自動車のシフトレバー操作を取り上げ,仮想拘束運動解析システムに可変インピーダンス制御を実装して仮想シフトレバー装置の開発を行った.本装置に適切な粘弾性パターンを設定することにより,実際のシフト操作におけるギアの機械的な噛み合わせなどの機械特性を再現できる. 2.拘束運動における手先運動特性と操作感覚 粘弾性パターンとシフト操作位置に対する人間の手先運動特性および操作感覚の評価・解析を行い,拘束運動中に計測した手先力と上肢姿勢から算出した操作力楕円を比較することで,拘束運動における人間の操作感覚をある程度説明できることを示した.具体的には,拘束運動において操作力楕円が大きくかつその長軸が操作方向と一致する条件を満たす操作位置においては,人間は拘束力を必要最小限に抑えるとともに操作感覚が良くなること等を明らかにした.本実験により,人間は拘束条件に応じて上肢姿勢と手先力を巧みに調節する制御メカニズムを有していることを定量的に示せた. なお,2004年計測自動制御学会システムインテグレーション講演会にて本研究成果の一部を発表し,ベストセッション賞に選定された.
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