Research Abstract |
本年度は,多数台の分散型電源の連系による複雑化した面的な広がりを持つ配電ネットワーク構成を配電損失面や電力品質面から評価することを目的として,三相不平衡負荷や時間による負荷の変動など,実データに基づいた配電ネットワークの標準解析モデルを構築し,膨大に存在するネットワーク構成候補の中から配電損失面,電圧歪率面,電圧不平衡率面,ならびに総合バランス面から見た構成候補の多面的評価を行うための評価方法を開発した。開発手法では,膨大な配電ネットワーク構成候補の中から,ピーク負荷時において配電損失が小さいネットワーク構成候補の上位候補を効率的な列挙法を用いて抽出し,抽出した候補毎にEMTP(Electro-Magnetic Transients Programs)を用いて,(1)配電損失,(2)電圧歪率,(3)電圧不平衡率,および(4)3項目の総合バランスを複数時間断面について算出し,解析評価がなされる。ただし,電圧歪率と電圧不平衡の評価の際に,許容値(歪率は3%,電圧不平衡率は5%)を超過する構成候補については,電力品質の基準を満たしていないとして評価候補から除外される。 また,配電ネットワーク構成候補数が23,538,138,620通りも存在する標準解析モデル上で多面的な評価を行い,それぞれの面から最良な配電ネットワーク構成を決定することにより,開発手法の有用性を検証した。 なお,この研究を通して得られた成果は、電気学会の(1)電力・エネルギー部門大会,(2)電力技術・電力系統技術合同研究会,(3)全国大会,にて口頭発表している。
|