Research Abstract |
本年度は,1台のインバータで2台のブラシレスDCモータを駆動するために必要となる,制御基礎をまとめるため,1台のブラシレスDCモータの駆動方式を種々検討した。 その方式の1つとして,ブラシレスDCモータのベクトル制御に利用されている二軸直交座標系における非干渉化制御を適用し,電流および速度フィードバック制御を用いない,V/f制御を取り入れた新しい制御方式を提案した。この方式は,速度センサおよび電流フィードバック制御を用いない方式であるため,簡単な構成であるという特徴を有することから,1台のインバータで2台のモータを駆動するに適した方式であると考えられる。 現在までに,パソコンを購入し,著名なソフトウエアであるMATLABおよびSimulinkを用いて,1台の供試シミュレーションモデルを構築した。シミュレーション結果から,速度指令値に対し,真値である速度が追従し,良好な結果を得ることができた。さらに,定格トルクの50%負荷を加えた場合においても,速度指令どおりに動作できることが確認でき,良好な結果を得ることができた。これらの結果については今後学会等で発表する予定である。 また,ブラシレスDCモータを購入し,それを架台に据え付けるとともに,フライホイール,速度センサを取り付け,モータ定数の測定ができるように加工中である。さらに,RISCマイコン,半導体素子および必要となるソフトウエアを購入し,モータ駆動のためのインバータ,コンバータ装置を製作中である。 来年度は,1台のインバータで2台のモータを駆動する制御方法を考察するとともに,提案した制御方式により供試機を動かし,結果を考察する。また,これらの結果をまとめ,学会等で発表する予定である。
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