Research Abstract |
本年度は,1台のインバータで2台のブラシレスDCモータを駆動するために必要となる,制御基礎をまとめるとともに供試機を製作し,下記の結果を得ることができた。 (1)速度センサを用いない,センサレスベクトル制御を取り入れた新しい制御方式を提案し,また,供試機を製作し実験を行った。この方式は,速度センサを用いない方式であるため,簡単な構成であるという特徴を有することから,1台のインバータで2台のモータを駆動するに適した方式であると考えられる。現在までに,著名なソフトウエアであるMATLABおよびSimulinkを用いて,シミュレーションを行った。さらに,モータを購入し,それを架台に据え付けるとともに,速度センサを取り付け,モータ駆動のためのインバータ装置の製作を行った。実験結果から,速度指令値に対し,真値である速度が追従し,良好な結果を得ることができた。これらの成果については,平成17年電気学会関西支部連合大会の「PMSMの簡易形V/f制御」(No.G4-18),および,平成18年電気学会全国大会の「PMSMの簡易形V/f制御」(No.4-640)において発表を行い,好評をいただいた。 (2)1台のインバータで2台のモータを駆動する制御方法を提案し,シミュレーションにより検討を行った。この提案方式では,2台の機器定数が多少異なるとき,また,始動時に回転子位置が異なる場合でも,速度指令値に対し,真値である速度が追従し,良好な結果を得ることができた。これらの成果については,平成18年電気学会全国大会の「2台のPMSMの速度センサレス制御」(No.4-651)において発表を行い,好評をいただいた。 今後は,1台のインバータで2台のモータを駆動する供試機を製作し,実験を行い,結果を考察する。また,これらの結果をまとめ,学会等で発表する予定である。
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