2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工媒質を用いた小型平面アンテナの最適設計に関する研究
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16760277
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
楠 敦志 大分大学, 工学部, 助手 (90244152)
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Keywords | 人工媒質 / 負屈折率媒質 / キラル媒質 / マイクロストリップアンテナ / 最適設計 / 遺伝的アルゴリズム / FDTD法 / 偏波変換フィルタ |
Research Abstract |
人工媒質を用いた新しいアンテナの最適設計に関する研究を行う前段階として.解析手法の確立及び人工媒質が電磁波に与える影響を中心に研究を行い,成果をあげることができた.また,人工媒質を組み合わせたアンテナの解析では,この媒質を用いた際の基本的な特性が明らかになった. 最初に,負屈折率媒質(negative refractive index of material)及びキラル媒質(chiral media)と電磁波との相互作用について,偏波変換フィルタの設計問題を通じて検討した.遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)を適用し,これらの媒質を組み合わせた偏波変換フィルタの最適設計問題を行った.その結果,これらの媒質を組み合わせることによって,偏波変換フィルタが実現できることが明らかになった.また,負屈折率媒質を用いることによって,フィルタの透過及び反射特性を制御できることがわかった. 次に,2次元負屈折率媒質の時間領域での解析をFDTD(Finite-Difference Time-Domain)法を適用して行い,均質な負屈折率媒質に電磁波を入射した際の影響について研究を進めた.任意の断面形状を持つ2次元負屈折率スラブを例に取り,これらに線波源から電磁波を入射した場合の電磁波の透過及び散乱問題について数値的検討を行った.その結果,一定の条件を満たせば,これらのスラブは断面形状に関わらず,電磁波用レンズとして動作することが明らかになった. 更に,負屈折率媒質を組み合わせたマイクロストリップアンテナについて検討を行った.人工媒質に対応可能な3次元FDTD法を新たに開発し,この媒質を基板材料に持つアンテナの数値計算を行った結果,従来の誘電体基板を持つアンテナに比較して,より広帯域で利用可能であることがわかった.また,放射特性も,無指向性に近いことが明らかになった.
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Research Products
(6 results)