2005 Fiscal Year Annual Research Report
人工媒質を用いた小型平面アンテナの最適設計に関する研究
Project/Area Number |
16760277
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
楠 敦志 大分大学, 工学部, 助手 (90244152)
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Keywords | 人工媒質 / 負屈折率媒質 / キラル媒質 / 平面アンテナ / マイクロストリップアンテナ / FDTD法 / 小型化 / 最適設計 |
Research Abstract |
携帯電話及び無線LANに代表される無線通信の利用では,需要の増加に伴い,通信速度の高速化及び伝送量の大容量化が求められている.通信におけるアンテナの役割は大きく,さらなる広帯域化,小型化及び軽量化に対する研究が盛んに行われている.近年,独創的な発想と微細加工技術の進歩により,自然界に存在しない電磁気的特性を持つ媒質を作製できるようになった. 本研究では,平面アンテナの特性に大きな影響を与える基板材料に,人工媒質の1つである負屈折率媒質(Negative refractive index material)を導入し,アンテナの小型化かつ高性能化を目指してこのアンテナの特性の解析及び最適設計問題について検討を行った. 具体的には,以下の項目について解析・検討を行った. 1.負屈折率媒質を用いた場合に電磁波用デバイスに与える影響を検討するために,人工媒質の1つであるキラル媒質と組み合わせた偏波変換フィルタの設計を行い,その結果を国際会議で発表すると共に,その成果を電子情報通信学会に投稿中である. 2.FDTD法(Finite-Difference Time-Domain method)に基づく3次元シミュレーションプログラムを作成し,負屈折率媒質を基板に用いたマイクロストリップアンテナの各種放射特性を計算した.その結果, ・基板として利用するのに十分な特性が得られた. ・通常の誘電体基板を用いたアンテナと比較した結果,従来のアンテナとは異なり,共振周波数をほぼ変化させることなく,小型化が可能であることが示された. これらの結果は,国際会議,国内での会議及び研究会にて発表された. 3.アンテナの形状及び大きさの構造,負屈折率媒質の媒質定数を変化させて数値的検討を行い,構造や媒質定数とアンテナの放射特性を関係づける実験式の導出を試みた.これを利用し,「2.」に挙げた研究成果につながる数値結果が得られた.
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Research Products
(3 results)