2004 Fiscal Year Annual Research Report
擬似位相整合ニオブ酸リチウムの縦続二次非線形効果を用いた全光学的超高速信号処理
Project/Area Number |
16760311
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
福地 裕 東京理科大学, 工学部, 助手 (70366433)
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Keywords | 非線形光学 / 光信号処理 / 光スイッチ / 再生中継器 / リミッタ回路 / 光波長変換 / 擬似位相整合 / ニオブ酸リチウム |
Research Abstract |
次世代高速大容量フォトニックネットワークのノードに必要となる全光超高速・超広帯域信号処理デバイスに関する研究を行った。この結果、擬似位相整合縦続二次非線形ニオブ酸リチウム光導波路を用いた全光信号処理デバイスに関して、以下の先駆的研究成果が得られた。本ネットワークノードに必須となる全ての全光信号処理デバイスを、同種の素子で実現することにより、低コスト化と同時に高性能化を図る試みは、国内外における他の研究開発機関ではなされておらず、極めて独創的である。 1.テラビット毎秒を超える超高速動作の可能性 通常、擬似位相整合縦続二次非線形ニオブ酸リチウム光導波路は、高効率化の観点から異常光のみを用いる。これらに対して申請者は、数値解析により、常光・異常光の両導波により、1テラビット毎秒以上の動作速度を有する超高速かつ高効率全光ゲートスイッチの実現可能性を世界で初めて定量的に示した。本動作速度は、申請者の知る限り国内外において最速である。 2.リミッタ特性による全光超高速再生中継の可能性 申請者は、数値解析により、擬似位相整合縦続二次非線形ニオブ酸リチウム光導波路には、基本波と第二高調波間の群速度不整合に起因する固有のリミッタ特性が存在することを、世界で初めて明らかにした。さらに、本リミッタ特性を用いることにより、200ギガビット毎秒以上の動作速度を有する全光超高速再生中継器を構成できることを示した。 3.ポンプ光フリー超広帯域波長変換の可能性 非線形光学デバイスを用いた全光波長変換では、通常ポンプ光を必要とする。これらに対して申請者は、数値解析により、信号スペクトルの端に擬似位相整合波長を合わせることにより、ポンプ光を必要としない、変調フォーマットフリーかつ波長変換帯域40ナノメートル以上の全光超広帯域波長変換器が構成できることを、初めて明らかにした。
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