2004 Fiscal Year Annual Research Report
フィールドバスを用いた分散型エネルギーシステムの遠隔監視・異常診断統合技術の開発
Project/Area Number |
16760335
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
涌井 徹也 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (40339750)
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Keywords | フィールドバス / 分散型エネルギーシステム / 熱プロセス / 運転監視 / 異常診断 |
Research Abstract |
今後のエネルギーシステムは,中小規模かつ自立分散型の形態を採り,発電した電気エネルギーに加え同時に生成される熱エネルギーをも有効利用することが重要となる.分散型システムの普及を促進するためには,複数台のシステムを集中管理センターより遠隔監視する必要があるが,各システムで自律的に異常診断を行うことができれば,極めて有効な遠隔監視の支援技術になる.本研究では,フィールド機器間で双方向ディジタル通信を行うフィールドバス技術を利用して,分散型エネルギーシステムのエネルギー利用度を評価指標とした汎用性の高い運転監視・異常診断技術を,フィールド機器レベルで構築することを目的とする. 研究の第1段階として,分散型エネルギーシステムの主要構成要素の一つである水蒸気と水の熱交換プロセスに対して,フィールドバス機器を使用した計測制御システムを構築し,プロセスに異常(性能劣化)が発生した場合に,フィールド機器から得られる種々の情報を用いてその検知を行う診断方法について検討を加えた.熱交換器周りの異常(性能劣化)の発生要因には様々なものが考えられるが,ここではその一つとしてシェル内に空気が滞留する不具合に着目した.まず,プロセス特性実験を通して,シェル内に空気が滞留すると熱抵抗が増大して伝熱性能が低下するが,これは水加熱器の熱通過率を監視することで把握できることを明らかにした.そこで,運転中に常時監視する熱通過率が低下した場合にその原因を解明する異常診断アルゴリズムをホストPC上に構築し,その実証実験を行った.その結果,シェル内への空気の滞留のみでなく,熱通過率を低下させる他の要因も検知しうることを確認した.フィールドバスを使用して必要なデータをする場合には,プロセス値のみならずフィールド機器の動作状態をも把握することができるため,プロセスとフィールド機器を併せて診断対象とすることも可能になった.
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Research Products
(6 results)