2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760384
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
西田 秀明 独立行政法人土木研究所, 耐震研究グループ耐震チーム, 研究員 (00355819)
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Keywords | 道路橋 / 損傷制御 / 不確定性 |
Research Abstract |
損傷制御部材に対する要求性能の明確化に必要となる基本データを得ることを目的として、現行道路橋示方書に基づき橋脚基部に曲げ破壊が生じるように設計した上部構造-反力分散ゴム支承-鉄筋コンクリート橋脚-基礎からなる橋梁全体系に対する非線形時刻歴地震応答解析を昨年度実施した。この際、ゴム支承のハードニングの影響を考慮する必要があることがわかったことから、本年度はこの影響も加味した解析を実施し、橋梁全体系の損傷形態が橋脚基部に曲げ破壊が生じるという設計上の想定と異なる確率について整理した。ゴム支承のハードニングの影響は非線形弾性としてモデル化し、ハードニング開始ひずみ及び二次剛性比に不確定性を考慮した。モンテカルロシミュレーションにより各種不確定性の影響を考慮して損傷確率を評価した結果、ゴム支承が破断する確率、橋脚基部で終局曲率を超える確率、並びに設計上の想定と損傷形態が逆転する確率はいずれも0.6%程度とほぼないことがわかった。また、修復性の目安値である橋脚の残留変位については、支承のハードニングを考慮することで、しない場合と比べて、許容値を下回る割合が大きくなる場合と逆に小さくなる場合があり、支承の特性と入力波に対する感度が高いことがわかった。以上より、損傷制御構造に要求される性能は、支承と橋脚の損傷形態の制御のみならず、修復性の観点での制御が重要であることがわかった。また、損傷制御構造として有効と考えられる構造や特性について、吊橋のセンターステイ構造やインテリジェントマテリアルを対象として予備調査を行った。今後、これらの解析や調査結果を踏まえ、損傷制御部材の適切な構造形式の提案等を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)