2004 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック圧電素子を用いた超音波直接加振による転石根入れ深さ探査
Project/Area Number |
16760387
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川村 洋平 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (40361323)
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Keywords | 転石 / 根入れ深さ / 超音波 / 圧電セラミック / 非破壊検査 / Wavelet解析 / ケプストラム解析 |
Research Abstract |
災害時の落石による被害を防ぐため、転石の体積および、根入れ深さを探査することは重要である。しかしながら、転石の場合、岩石の一部が地上に露出している以外は土中に埋まっているため、岩全体の調査は容易ではない。本研究では超音波を用いた高精度な転石の根入れ深さ探査システムの構築を目的としている。 構築中のシステムは、圧電セラミックを内蔵したAEトランスデューサを用いて転石の露岩した表面部から超音波の入出力を行い、得られた出力波形を各種信号を施すことにより、精度の高い根入れ深さ推定を実現するものである。入力に圧電素子を用いることにより、入力波形に任意の周波数特性を持たせることが可能となった。 実験には長さ900mmのコンクリートブロックと1400mmの白御影石を供試体として用いた。出力波形の確認にはWavelet解析を用い、反射波の確認を行った。それにより、直接波と反射波が分離できるある条件下(入力が50kHz〜40kHzへのダウンチャープ信号)では本来曖昧であった反射波の到達時刻の決定を自己相関解析によって機械的かつ正確に行うことが可能となった。また、直接波が反射波の到達までに減衰しきらない状態、つまり直接波と反射波が混在する状態での解析にはケプストラム解析を用いた。パワーケプストラム解析を用いた結果、自己相関法を用いた時ほどの高精度とはならないが、反射波の到達時間を特定できることを確認した。どちらの手法においても実測をと計算値の誤差は1%以内であり、実用上問題の無い良好な結果が得られたと言える。
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Research Products
(3 results)