2005 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック圧電素子を用いた超音波直接加振による転石根入れ深さ探査
Project/Area Number |
16760387
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川村 洋平 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (40361323)
|
Keywords | 転石 / 根入れ / 超音波 / 圧電セラミック / 非破壊検査 / ケプストラム解析 |
Research Abstract |
近年、自然災害による被害が多発している。その多くは落石による被害である。転石は岩石の一部が地表面に露出している以外は地中に埋っているため、その体積・根入れ深さの調査は容易ではない。この転石が多量の雨や地震等により落石となる。本研究は露岩部からの調査により、転石の根入れ深さを推定することを目的としている。転石根入れ深さを推定可能となれば、その転石の安定度が判別できる。従来法としては弾性波の入力部にハンマーを用いている。この手法は大きな入力を発生させることができる反面、精度および再現性に問題があった。一方、精密機械や構造物に対し、非破壊検査で用いられる手法としては超音波法が挙げられる。こちらは精度が高い反面、探査深度が浅くなるという問題があった。 本研究ではこれらの問題点を解決すべく、高精度で探査深度の深い転石根入れ深さ探査システムの構築を行った。入力部には圧電セラミックス、受信部には高感度AEセンサを採用することにより、大出力、高精度を実現することが可能となった。 基礎実験には長軸900mmのコンクリートブロックと1400mmの白御影石を使用、実規模実験においては地中に埋められている長軸1360mmの街頭基礎を供試体として用いた。解析手法としてはチャープ波を使った自己相関分析および正弦波・チャープ波を使ったケプストラム解析を行った。その結果、実規模においても誤差5%以内で良好な根入れ深さ推定を行うことに成功した。自己相関分析においては条件に合った入力波を作成することが出来れば誤差1%以内の非常に良好な結果が得られるが、その条件を満たすのが困難である。ケプストラム解析においては入力振幅を大きくすることにより、ある程度の結果が見込める。これらを統合することによりシステムの完成度が飛躍的に向上する結果となった。
|
Research Products
(3 results)