2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760401
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
信岡 尚道 茨城大学, 工学部, 講師 (00250986)
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Keywords | 海浜流 / 3次元 / 鉛直分布 / 風応力 / 台風 / 大規模渦 |
Research Abstract |
ラディエーションストレスの鉛直分布を基にした3次元海浜流数値モデルに、海表面の大気圧,風応力の外力を導入し、台風や強烈な低気圧による強風時にも対応したモデルを開発した。同時に、風の場の算定モデルと浅海域での波浪推算モデルと組合わせた結合モデルも開発した. この結合モデルが一般的な浅水方程式モデルと等しい精度を持っていることを確認するため、2005年8月にアメリカ南部を襲った巨大ハリケーンカトリーナによる高潮と、1677年に茨城県と千葉県外房を襲った延宝地震による津波の再現計算をおこなった.カトリーナによる高潮計算結果は、潮位記録の欠測のため現地調査された痕跡高と比較したところ、良好な結果を得た.延宝地震津波に対しても痕跡記録と比較したところ、本モデルに十分な精度があることを確認した. また、海浜流のミクロな現象として、砕波帯内の大規模渦のモデル化について、他種である幾何学的な田島・Madsenモデル、合田モデルと比較検証をおこなった.砕波直後の運動量輸送について違いが見られたが、砕波の突っ込み点から波打ち際までは、表面付近の岸向きの流れ、底面付近の沖向きの流れを幾何学モデルと同じ精度で本モデルが予測できることを確認した. これらのことから、広範囲で風の影響を考慮しての予測、砕波帯内での詳細な流れ現象の両点について精度あるモデルの開発が達成されたと言える。これから計算スキームを先端のものに改良により沖合いと海岸線付近の現象スケールの違いを考慮した計算間隔を導入することで、課題の沿岸流砂系を対象としたモデル開発が達成することができる.
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Research Products
(1 results)