2004 Fiscal Year Annual Research Report
荒天イベントに着目した後浜変形長期予測モデルの開発
Project/Area Number |
16760417
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
有働 恵子 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部・漂砂研究室, 研究官 (80371780)
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Keywords | 飛砂 / 限界摩擦速度 / TFEM / 汀線変化 / 底質粒径 / 吹送距離 / 植生 |
Research Abstract |
後浜変形予測モデルの推定精度を向上させるため,飛砂の限界摩擦速度に着目した飛砂量算定法を提案した.また,現地調査により,汀線変化の後浜変形および底質粒径への影響(Fetch Effect)について調べた. 飛砂量公式は,風の摩擦速度が限界摩擦速度を越える場合に飛砂が発生することを仮定しており,限界摩擦速度は飛砂量を推定する上で重要なパラメータである.飛砂の限界摩擦速度特性を調べるため,圧電振動子および風向風速計を用いて飛砂粒子数および瞬間風速データを1Hzのサンプリング周期で取得した.これらのデータを5分間隔で区切り,Time Fraction Equivalence Method (Stout,1997)を用いて限界風速を求めたところ,平均風速が大きくなるにつれて限界風速は小さくなった.平均風速の変化に伴う限界摩擦速度の変化を考慮した場合の推定飛砂量は考慮しない場合の約2倍となり,実測値に近い値となった.限界摩擦速度の変化を考慮することにより,飛砂量の推定精度は大幅に改善された. 汀線変化の後浜変形および底質粒径への影響を調べるため,約1年半の間,1ヶ月に1回の頻度で後浜平面地形および底質粒径の岸沖分布に関する現地調査を行った.また,毎日撮影している後浜写真を判読することにより,汀線変化および植生(砂草)分布について調べた.その結果,平均汀線から60m陸側地点の砂堆付近では他の測点とは異なる変形特性が見られた.汀線が前進し,植生繁茂指数が大きい時期に顕著な堆積傾向が認められた.底質粒径は,後浜の海側に向かって日変動が大きくなり,平均中央粒径も大きくなるものの,調査期間中における明確なトレンドは認められなかった.
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Research Products
(1 results)