2004 Fiscal Year Annual Research Report
水環境から検出されるクリプトスポリジウムの遺伝子型と生育活性の評価手法の検討
Project/Area Number |
16760446
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
橋本 温 阿南工業高等専門学校, 建設システム工学科, 講師 (30332068)
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Keywords | Cryptosporidium / genotype / PCR / FISH / 下水 / 水環境 |
Research Abstract |
水環境のクリプトスポリジウム汚染を定量的かつ疫学的に解析する手法の開発を目的として,PCR-ダイレクトシーケンス法,PCR-RFLP法およびFISH法などによる検出定量法の検討を行った。 現在までに,PCR-ダイレクトシーケンス法による18S-rRNA領域を標的として,個々のオーシストを単離して,種・genotypeを判別する手法がほぼ完成し,下水を対象にした調査を行った。その結果,関東地方の都市下水ではクリプトスポリジウムが常時検出され,遺伝子型の割合はヒト固有のタイプであるCryptosporidium parvum genotype 1が優占的であり,ついでC. parvum genotype 2やC. mereagridisなどの人獣共通感染型が検出された。このことから,感染症法に基づく届出ではCryptosporidium感染症の報告は少ないが,実際には人への感染が多数あるであろうことが推察された。 さらに,生育活性の測定や簡便な遺伝子型識別のために,FISH法を主体とする検出方法の検討を行った。同様に18S rRNAを標的とした特異プローブを設計するために,GenBankのデータベースの検索を行い,Cryptosporidiumの各種タイプの識別可能な特異領域を見いだし,プローブ設計を設計した。現在,設計したプローブとCryptosporidium parvum genotype 2培養株を用いて,反応条件の検討を行っている。この条件設定が終了次第,下水等の実環境分離株への適用方法の検討を行う。
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Research Products
(3 results)