2005 Fiscal Year Annual Research Report
変形・分裂・合一現象を伴う非ニュートン流体系気泡・液滴ダイナミクスの数値解析
Project/Area Number |
16760601
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 光浩 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (00281866)
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Keywords | Shear-thinning流体 / Carreau-Yasudaモデル / 気泡・液滴 / 数値解析 |
Research Abstract |
本年度において(1)Shear-thinning流体剪断場中における液滴の変形・分裂ダイナミクス,(2)合一を伴う気泡・液滴ダイナミクスの評価を実施した. (1)では,Carreau-Yasudaモデル流体(Shear-thinning流体)単純剪断流中での変形・分裂現象を調べた.Shear-thinning流体としてCMC(carboxymethylcellulose)およびSAP(sodium acrylate polymer)水溶液を用い,液滴はシリコン・オイルとした.また,砂糖をシリコン・オイルに加えることで密度調整を行った。既往のNewton流体系での実験データと比較することでShear-thinning流体系での特徴を明確にすることを試みた.本Shear-thinning流体粘度に対するCapillary数でも従来条件より大きいことが判明し,電源部およびギア部の大きな改良を行った.完全改良に時間がかかっており,所定の期限内には十分な成果を得られなかったが,今後目標まで達成できる見通しである. (2)では,気泡・液滴の直列合一および並列合一を調べるための装置を作成した,並列合一を調べる実験をまず行った.本研究では,大きな気泡・液滴を生成するためにTurning Cupを取り付けた.装置基本性能を調べるためにShear-thinning(SAP水溶液)流体中を上昇する大きなシリコン・オイル液滴の運動を調べ,非ニュートン性が液滴上昇運動に大きく影響を及ぼすことを確認した.次に合一現象に関してはテスト実験を行い,本実験装置で合一現象を十分に検討できることを確認した.今後,定量的な現象解明を行う予定である. 数値解析法では,液々界面を数値的に追跡する手法としてCoupled Level-Set/Volume-Of-Fluid(CLSVOF)法をベースとしたSharp Interface法を完成させた.従来法よりも高精度で解析できる状態にあり,今後,実際の結果に対して解析を行う予定である.
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