2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコニウム系メゾ多孔体の特徴を活かした新しい固体触媒反応系の開発
Project/Area Number |
16760614
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 孝 京都大学, 工学研究科, 助手 (70361756)
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Keywords | 固体超強酸 / 複合酸化物多孔体 / 酸化ジルコニウム / 硫酸イオン / 酸化タングステン / アニオン交換 |
Research Abstract |
Zr(SO4)2・4H2Oとn-C16H33N(CH3)3Brから調製されるヘキサゴナル構造持っジルコニウム-硫酸イオン界面活性剤ミセルメゾ構造体(ZS)を前駆体とするジルコニウム-タングステン系複合酸化物多孔体の合成に関し,タングステンイオン導入操作時の仕込みW/Zrモル比および初期pHを変化させ,W導入量とS脱離量の相関関係に関する定量的な検討を行った. pH10では,溶液中のWは仕込みW/Zrが0.4以下ではほぼ全量ZS中に導入されたが,それ以上の仕込みではほぼW/Zr=0.5で飽和しており,溶液中の[WO4]2-イオンとZS中の硫酸水素イオン[HSO4]-で定量的なアニオン交換が起こっていることが明らかとなった.このときの溶出Zr量は,実験に用いた総Zr量の1%以下であった.硫酸(水素)イオンとタングステン酸イオンが1:1で交換すれば,Zrに対する脱離Sと導入Wの関係を図示すると原点を通る直線になるはずである.W溶液の初期pHが10の時,この関係は脱離S量に対して導入W量が不足した下に凸の曲線となった.したがって高pHではまず水酸化物イオンとの交換反応によりSが脱離し,引き続いてWが導入されることが明らかとなった. 一方,初期pHが6と9では脱離S量より導入W量の方がやや多かった.このときの平衡pHは6以下であること,このpHではタングステン酸ポリアニオンが安定種であること,673Kで2h焼成後にWO3結晶が析出していることから,W種はイオン交換サイト以外に一部が表面に凝集種として吸着していることが結論された.
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Research Products
(4 results)