2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16760644
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平山 寛 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30294888)
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Keywords | 超小型人工衛星 / テザー / スペース・デブリ / 大気抵抗 / 弾道係数 |
Research Abstract |
テープ型のテザーによる超小型衛星の落下促進について、今年度は以下の研究を実施した。 【1】ダイナミクスの計算 大気の抵抗による超小型衛星の落下について定式化を行った。そして、通常の形状の小型衛星と、テザー衛星の場合について、数値シミュレーションを行い、高度変化の特性を比較した。 地球低軌道を周回する衛星には、希薄ではあるが存在する大気に起因した抵抗で摂動加速度が働く。そのほかの摂動力も考慮して、基本方程式は接触軌道要素の時間変化率を求めるガウスの惑星方程式を用いた。考慮する摂動加速度は、 1:大気抵抗 2:地球の非球体性による効果 3:月・太陽の重力加速度 4:太陽光輻射圧 である。高度400km以下ではとくに大気抵抗が顕著となる。大気抵抗に関して、地球大気モデルは一般的な指数関数モデルを使用した。地球重力場モデルはJGM-3を使用した。月・太陽の重力加速度を求めるための、それらの位置計算にはVSOP87惑星理論を用いた。 初期高度400kmの円軌道からの落下をシミュレーションした。通常の衛星についてのシミュレーションは完了した。テザー衛星については、初期近似として相当する断面積の単一衛星でモデル化した計算は完了した。ひきつづき、高度方向に分布した質点の列として、姿勢運動も考慮したモデル化を進めている。 【2】テープ型テザー装置の開発 今年度は概念設計を行った。今後、試作機の製作を行い、テザー伸展性能を確認し、詳細設計を行う。
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