2004 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化防止・エネルギー回収を目指した最終処分場再生技術の検討
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16760664
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲葉 陸太 北海道大学, 大学院・工学研究科, 寄附講座教員 (40372271)
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Keywords | 地球温暖化 / エネルギー回収 / 処分場再生 / 有機系廃棄物 / バイオガス化 |
Research Abstract |
廃棄物最終処分場においては、有機系廃棄物の嫌気性分解によるメタンガスの大気中への放出が地球温暖化進行の観点から懸念されている。一方、有機系廃棄物はエネルギー回収も可能な未利用資源としても期待されている。また、特に日本では最終処分場の逼迫は大きな社会問題である。本研究では、有機系埋立・搬入廃棄物のバイオガス化による、最終処分場からのメタンガス放出抑制、廃棄物のエネルギー利用、および最終処分場再生を目指した技術の開発を目的としている。 今年度は、まず、一般廃棄物最終処分場における埋立廃棄物の組成調査を行った。次に、調査対象の有機系埋立廃棄物を試料としてバイオガス化条件の明確化に向けた回分実験を行った。 組成調査では、有機系廃棄物を直接埋め立ている処分場を対象とし、新旧の埋立工区それぞれ3箇所ずつ、計6箇所において掘削した埋立廃棄物を手選別で分類し、重量を測定した。また、分類した試料の三成分(「可燃分」「灰分」「水分」)分析を行った。調査の結果、選別した組成のうち、バイオガス化適合物は「紙」「その他(目視での分類が不可能な寸法の小さい廃棄物で、分解途上の有機物を含むと考えられる)」と判断され、これを主たる実験対象とすることにした。 バイオガス化実験において、汚泥量に対する廃棄物投入量は、ガス発生速度に影響する重要な条件である。回分試験の結果、いずれの組成および埋立時期においても、廃棄物投入量10gの場合のガス発生速度が最大となり、これを最適な投入比とした。 ごみ組成の比較では、ガス発生量の関係は紙>全体=その他となった。埋立時期の比較では、累積のガス発生量はいずれの組成でも新しいごみ層の方が古いごみ層よりも大きい結果となった。また、ガス発生量の幅は古いごみ層の方が大きかった。このことから、古いごみ層における有機物の分解度には場所によって差があると推測された。
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