2006 Fiscal Year Annual Research Report
アンモニア・水混合媒体を使用した発電・冷凍サイクルに関する研究
Project/Area Number |
16760699
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹下 恵介 早稲田大学, 理工学研究所, 客員研究助手 (50367116)
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Keywords | 省エネルギー / エネルギー変換 / 吸収 |
Research Abstract |
低沸点媒体であるアンモニア・水混合媒体を作動流体とする熱源システムの研究を行なった。低沸点媒体は,低温度水準の熱エネルギーからの熱回収に優れることが知られている.現在,工場排熱等の形態で低温度水準の熱エネルギーは大量に環境に放出されており,このような熱源システムは省エネルギーに大きく資すると考えられる. 本研究が対象としているのはアンモニア吸収式冷凍機,アンモニア・水混合媒体タービンシステムと,両者を配管で接続し作動流体を共有化するハイブリッドシステムである. 本年度の研究成果としては,まずハイブリッドシステムによる出力向上の確認を行なったことが挙げられる。当初計画の通り、タービンシステム側の低圧凝縮器から濃溶液を冷凍機へ供給する形態(構成1)で遂行した。実験の結果、構築した実験設備において、独立運転時と比較して80%の出力の向上が得られた。 しかし、この実験結果は、タービンの運転状態が定格とかなり異なったために、駆動流の流量変化に対して出力の変化が非常に大きくなっていることに注意する必要がある。駆動流の流量は約10%であったので、タービンの能力が十分に発揮できる状態の下では出力の向上も約10%になると考えられる。 数字としては、実験設備および実験条件に依存するところが大きいものであるが、出力の向上を実証できたことは、大きな成果であると考える。 そのほか、運転の安定性を大きく損なっていた溶液ポンプ異常の抑制に関して、さらに研究を進めた。具体的には、冷媒蒸気の発生と溶液ポンプ異常の関連を調査し、溶液ポンプ異常の抑制方法に関する理論的な解析につながるデータを得ることができた。
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Research Products
(3 results)