2004 Fiscal Year Annual Research Report
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16770052
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩田 武男 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10350399)
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Keywords | ソデフリン / フェロモン / イモリ / フェロモン受容体 / バリアント / 情報伝達 / プロセッシング / 鋤鼻上皮 |
Research Abstract |
ソデフリンは雄のアカハライモリ肛門腺腹腺より単離・精製された雌誘引性フェロモンである。ソデフリンにはいくつかのバリアントの存在が知られており、そのバリアントの発現に個体差および地域差があるか否かを知るため、千葉、新潟、奈良で捕獲した各イモリ個体の腹腺で発現しているソデフリンおよびそのバリアントの前駆体mRNAをRT-PCR法により調べた。全ての雄イモリ個体の腹腺でソデフリンをコードする遺伝子発現が確認され、バリアントをコードする遺伝子発現には個体差および地域差がみられた。また奈良の雄イモリは特異的なソデフリンバリアントを発現しており、その合成ペプチドが奈良の雌イモリに特異的な誘引活性を有していること、実際にそのペプチドが奈良の雄イモリの腹腺より精製されたことから、奈良の雄イモリは2種類のフェロモン分子を持つことが示唆された。また雄イモリの腹腺には前駆体からソデフリンを切断する酵素活性があることを明らかにし、その酵素の至適温度、pHをそれぞれ決定した。今後はプロセッシング酵素の精製を行い、同定する必要がある。 雌イモリの鋤鼻上皮細胞にソデフリンを与えると細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇することがからソデフリン受容細胞はセカンドメッセンジャーにカルシウムイオンを用いていることが分かっている。この系を用いて各情報伝達に関る物質の阻害剤を用いた実験を行ったところ、ソデフリン受容による細胞内のカルシウムイオン濃度の上昇はホスホリパーゼCに依存しており、プロテインキナーゼCおよびN型カルシウムチャネルを介して細胞外からのカルシウムイオン流入によるものと、小胞体からのカルシウムイオン放出によるものの異なる2種類の経路によることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)