2004 Fiscal Year Annual Research Report
人類進化の視座に基づくヒトの望ましい栄養摂取量、身体活動量、体格の再検討
Project/Area Number |
16770184
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 太郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70345049)
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Keywords | 人類進化 / 栄養 / 体格・体組成 / 身体活動 / 環境適応 / 狩猟採集民 / 都市居住者 / 農耕・漁撈民 |
Research Abstract |
研究実施計画書にしたがい、文献調査およびフィールドワークを行った。文献調査は、現代に生きる狩猟採集民、伝統的漁撈民・農耕民の先行研究を収集し、体格・栄養摂取量・身体活動量のデータを分析した。また霊長類、先史人類の考古学的研究についても、方法論の違いに注意を払いながらデータ収集、分析を行った。 フィールドワークは、南太平洋ソロモン諸島の伝統的半農半漁民および都市居住者を対象として調査を行った。調査内容は、1)身体計測・血圧測定、2)食物摂取量調査、3)安静時代謝量測定、4)身体活動量測定であった。伝統的半農半漁村の住民は、根茎類、魚、ココヤシといった自給的食物に依存していたことが明らかとなった。コメ、小麦粉、缶詰といった購入食品の摂取栄養素量(エネルギー、タンパク質、脂質)に占める割合は1割に満たなかった。一方、遺伝的に等しいメラネシア系の都市居住者の食生活は現金経済の浸透にともない購入食品の依存度が高まっていた。実際に、エネルギー、タンパク質、脂質摂取量に占める購入食品の割合はいずれも5割を超えていた。このように食事内容は大きく異なっていたものの、栄養摂取量は伝統的村落居住者と都市居住者で差はなかった。 成果発表として、計画書に記載した国際学会(X International Congress of Auxology)で口頭発表を行った。また、日本生理人類学会(6月)、日本民族衛生学会(11月)、日本成長学会(12月)、福岡教育大学国際シンポジウム(2005年1月)で学会発表を行った。
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Research Products
(5 results)