2005 Fiscal Year Annual Research Report
田畑転換地で発生するリゾクトニア性病害の予察的圃場診断技術の開発
Project/Area Number |
16780032
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
荒川 征夫 名城大学, 農学部, 講師 (40340294)
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Keywords | 植物病原菌 / 水田土壌 / Rhizoctonia属菌 / 圃場診断 / 特異的プライマー |
Research Abstract |
本研究課題は日本各地の田畑転換地で報告されつつあるRhizoctonia性病害の病原菌について、イネに対する病原性を調べると共に、これら水田生息性Rhizoctoniaの網羅的分子データベースを作成することを目的とする。最終的にこのデータベースを用いて多プローブアレイ等を作出し、圃場内に分布する各種Rhizoctoniaの構成を迅速に把握するための圃場診断法を開発する。平成17年度の研究実績は以下の通りである。 1.各種Rhizoctonia属菌に特異的な分子マーカーの設計 イネに病原性を示すRhizoctonia属菌8種についてrDNA-ITS領域の塩基配列を解析し、データベースで既知のRhizoctonia属菌と共に同配列のアライメントを行ない、PCR用特異的プライマーを設計した。これらのプライマーは、いずれも対象菌種に対し特異的に作用し、また栽培圃場における発病イネ病斑部から直接的にPCR検出することも可能となった。 2.圃場内の植物残渣に含まれる各種Rhizoctonia属菌の一覧化検出法の開発 土壌中の有機物残渣からのDNA抽出法を検討した。その結果PCRに利用可能レベルの抽出に成功し、特異的プライマーによるRhizoctonia属菌(イネ紋枯病菌他)の検出が可能であった。今後、より汎用性の高い抽出法を検討するとともに、その他の特異的プライマーを用いた一覧化検出法を検討する。 3.各種Rhizoctonia属菌のrDNA塩基配列の解析 各地水田または転作圃場で採取された、イネに非病原性のRhizoctonia属菌にるいて解析を行なった。また水田圃場は一般的に、イネ以外の植物に病原性を示すRhizoctonia属菌が多様に分布することが他県からの情報でも確認された。最終年度はこれら水田生息性Rhizoctoniaに特異的なプライマー設計をさらに進める。
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Research Products
(3 results)