2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16780053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻村 清也 京都大学, 農学研究科, 助手 (30362429)
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Keywords | バイオ電池 / 微生物電池 / 酢酸酸化 / 直接電子移動 / 酸素還元 / ビリルビンオキシダーゼ / グルコースデヒドロゲナーゼ / 大腸菌 |
Research Abstract |
微生物機能を活用したバイオ電池 カソード極 カソード極にそのまま微生物細胞を用いることは困難であるので、微生物(真菌)由来の酵素ビリルビンオキシダーゼを用い、酸素還元電極触媒としての特性評価を行った.これまでの研究において、様々な電子伝達メディエータを用いることが出来るということを明らかにし、さらに固定化も成功してきたが、今年度は、ビリルビンオキシダーゼの電極との直接電子移動に世界で初めて成功し、その反応特性を評価した.単分子吸着モデル及び積層モデルについてそれぞれの電極応答について解析を行った.また、本研究において、酵素の酸化還元電位が非常に重要な電流電圧曲線の決定因子となることがわかり、その酸化還元電位評価システムを新たに考案し、酸化還元電位を評価した.本測定法は、様々な酸化還元タンパク質・酵素に適応可能であるということを示した. アノード極 アノード極には、エタノール、グルコースを燃料として用いる系について注目した.よく知られた酢酸菌Acetbactor. acetiを用いたエタノールの4電子酸化系に加えて、生成物である酢酸の電気化学酸化反応系の構築に向けた基礎検討を行った。本研究により酢酸を炭素源に用いた培地で培養した大腸菌が、生物電気化学的酢酸酸化反応の触媒活性を示すことがわかった.さらに、電子受容体との反応特性、電子引き抜きメカニズムに関する考察を行った.一方、研究協力者と行ったグルコース酸化反応系のスクリーニング試験の結果、新たに酸素不感応性グルコースデヒドロゲナーゼを発見した.オキシダーゼ活性を全く示さず、デヒドロゲナーゼ活性のみが従来報告されてきたグルコース酸化酵素に比べ非常に高い酵素であった.本年度は、本酵素の諸性質を電気化学の視点を中心に解明し、その基質選択性の高さを利用したグルコースバイオセンサに向けた基礎検討を行った.来年度は、その酵素活性の解明とバイオ電池への応用へと展開させる.
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Research Products
(6 results)